親緑日誌

ヒメシャラの紅葉

わが家のヒメシャラが　紅葉のピークを迎えた
鮮やかな紅色の傘のもと　金魚が悠々と泳いでいる
一日中この風景を眺めているのだから　実に羨ましい

私にとって
このヒメシャラの色づきは父のことを思い出させる
１年前にその生涯を閉じたとき
まだ色づきは疎らだった
だけど
その鮮やかさには　目を奪われた
このように　これからも樹のそれぞれに
そっと思い出を刻んでいくのだろうか

もともとこの水鉢は
知り合いからミニ睡蓮を分けてもらったのをきっかけに
植木屋の好意でいただいたもの
初めのうちはデッキの上に置いていたが
しばらくしてからキリシマツツジの中に設えた
その後　熱帯睡蓮を入れてみたが
見事に金魚が食べつくしてしまった
まったく可愛いやつである

夏の庭

夏の庭は野趣にあふれ旺盛

ミソハギ　ハナトラノオ　ワレモコウ　ムクゲ　ポーチュラカ
人間ならすぐに参ってしまうような　強い陽ざしをものともせず
次々と花を咲かせ　株を大きくする
そんな夏の庭の楽しみ方のひとつは　早起きをして屋上の庭に登ること
花も人間と同じで　朝開いて夕方には閉じてしまうものもある
だから　まだ涼しい空気の中　朝焼けの色を映した花の姿を楽しむ
白み始める空のもと　大きく息を吸い込むと　いつもより少し元気になる

ヒヨドリ

自宅のソヨゴにヒヨドリが巣を作ったのは　６月の半ばごろ
しばらくしてそっと覗くと　小さな卵が数個
たまに巣を見やると　すまし顔でじっと卵を温めていた
こちら人間の方も　驚かさないようにと近くのアマチャの花後の剪定もあきらめ
無事に孵ってくれよと　雛の誕生を待つ

昨日になって　ようやく親鳥の動きが活発になる
朝からヒーヨヒーヨと鳴き声で目が覚めるほど
庭でしばらく様子をうかがっていると　外から虫をくわえて戻り
こちらの存在を警戒してか　一度ヒメシャラに留まり

斑が明るいナンキンハゼに留まり

巣に戻って餌付けをした模様

親鳥がいなくなったのを見計らい　そっと巣をのぞいてみると
数羽の雛が無事に誕生していて　思わずホッとする
こちらの気配を感じ取り　親鳥と間違えて懸命に嘴を伸ばす姿はほほえましい
しっかり食べて無事に巣立つんだぞ

ナンキンハゼ

ハート型の葉は　新葉がとても美しい
濃い紅色はやがてクリーム色　そして緑へと変化する
目立つ花は咲かないが　風にそよぐ姿は涼しげで
斑入りの明るい葉は　庭のアクセントになっている
梅雨の中休みの晴れ渡った空の下　一服の清涼剤として楽しんでいる

アマチャ

アマチャがきれいな花を咲かせている
ヤマアジサイの仲間で　咲き始めから徐々に色が変化する
上が一週間ほど前で　下が今朝の姿
多数の花が中央に咲き　その周囲につくのは装飾花（萼片）
乾燥させた葉には甘みがあり　甘茶湯として飲用される